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レポートデザイナ

レポートデザイナは、GUIによる直観的な操作によって、帳票のデザイン作業を行うためのアプリケーションです。 作成したデザインは、帳票定義ファイルに保存することができます。 帳票を出力するプログラムは、この帳票定義ファイルを読み込み、データを流し込むことで帳票を生成します。 これによって、帳票のデザイン作業とプログラミング作業を分離することができます。

レポートデザイナには、デザイン作業中に帳票の出力イメージをいつでも確認することができるプレビュー機能が備わっています。 プレビュー機能では、イメージの出力に利用されるデータをいつでも編集できるため、様々なパターンのテストを行うことが可能です。 このデータはデザイン用データと呼ばれ、ファイルに保存して再利用することができます。

レポートデザイナの起動

スタートメニューに登録された[レポートデザイナ(.net3.5)]または[レポートデザイナ(.net4.0)]をクリックしてください。 どちらを選ぶかで、レポートデザイナが利用する.NET Frameworkのバージョンが変わります。

※どちらを選択してもレポートデザイナの機能に違いはなく、作成される帳票定義ファイルも同じなので、 実際に帳票出力をするプログラムには全く影響しません。 ご利用の環境で実行可能なほうを選択して下さい。

ウィンドウの構成

レポートデザイナはデザインウィンドウ、構成ツリー、プロパティウィンドウの3つで構成されています。

デザインウィンドウ

マウス操作によって帳票上に配置される要素(テキスト、線、四角形など)を編集できます。

右クリックで表示されるメニューの[要素の追加]から、 種類を選択することで要素を追加することができます。

左クリックでコンテントや要素を選択できます。 Shift+クリックまたはドラッグによって複数の要素を選択することもできます。 もし、マウス操作で複数選択を行いたいが、ドラッグを開始するための隙間が無いといった場合、 Shiftを押しながらドラッグすることで、個別の要素を選択せずに範囲選択を開始できます。

Altキーを押しながら左クリックすると、重なり合っている要素の選択を切り替えることができます。

単一の要素が選択されている状態では、以下のような表示となります。

サイズ変更グリップをドラッグすることで、要素のサイズを変更できます。 この際、CTRLキーを押しながらドラッグすると位置の揃っている要素を一括して変更できます。

移動グリップもしくは要素自体をドラッグすることで、要素を移動することができます。 また、CTRLキーを押しながらドラッグすると要素を複製することができます。 なお、複数の要素が選択されている状態では、一括して要素の移動または複製が行えます。

Altキーを押しながら要素の移動またはサイズ変更を行うことで、要素の整列を行うことができます。 この操作では、異なるコンテントに配置された要素に対しても整列を行えるので、 例えば見出しに合わせて明細行の内容を調整することができます。

要素が選択された状態で Esc キーを押すと、選択状態を解除できます。

背景画像が設定されている場合はBキーで表示・非表示を切り替えることができます。

構成ツリー

帳票を構成するオブジェクトをツリー形式で表示・編集できます。 右クリックでオブジェクトを編集(追加、削除など)するためのメニューを表示します。 また、ノードをドラッグすることでツリー内でのオブジェクトの移動を行うことができます。

プロパティウィンドウ

デザインウィンドウや構成ツリー上で選択されたオブジェクトのプロパティを表示・編集できます。

複数の要素が選択されている状態では、選択中の要素が共通して持っているプロパティのみが表示され、 一括して編集を行うことができます。

プロパティウィンドウの下部には、現在選択中のプロパティまたはオブジェクトのヘルプが表示されます。

メッセージウィンドウ

デザインウィンドウの下部に、メッセージウィンドウが配置されています。 メッセージウィンドウはデフォルトでは高さが0となっているために、 非表示となっていますが、ドラッグによって拡げることで表示することができます。

メッセージウィンドウには、その帳票についての簡易的なメモを記入することができ、 その内容は保存される帳票デザインファイルに含まれます。 帳票デザインファイルを開いた際に、メッセージが含まれていた場合は、 メッセージウィンドウが拡げられて内容が表示されます。

メッセージウィンドウは学習ツアーを実行している場合でも拡げられ、 操作内容についての説明が表示されます。

ツールバーの機能

よく使う機能などが集められたデザインウィンドウの上部(メニューバーの下部)にあるメニューです。

1.保存

編集した帳票デザインをファイルに保存します。 帳票デザインファイルのデフォルトの拡張子はRRPTで、その内容はJSON形式となります。 新規に保存する場合は保存先のパスを指定するウィンドウが開きます。

2.プレビュー

プレビューウィンドウを開きます。

3.拡大、縮小

デザインウィンドウでの表示倍率を設定します。 現在のウィンドウサイズまたは幅に合わせた表示倍率にすることもできます。

4.グリッド、補助線

デザインウィンドウ上で要素を編集(移動、サイズ変更など)する際の間隔や補助線(ガイド)の本数を指定します。

グリッド

指定した値の間隔でコンテントや要素の編集が行われます。 X に横軸、Y に縦軸の値を指定します。

補助線

指定した値の本数の補助線を表示します。 X に垂直線、Y に水平線の本数を指定します。

5.編集

帳票デザインで操作した編集の取消(元に戻す)や、やり直しを行います。

6.背景画像

デザインウィンドウの背景に表示される画像を指定します。 既存の帳票を元に新たな帳票デザインを作成する場合などに、 その画像を背景画像として指定することで、効率よくデザインを作成することができます。 表示、非表示をチェックによって切り替えます。

7.選択補助

コンテントや要素の選択方法を制御します。

選択固定

チェックしている間は、構成ツリー上でのみコンテントを選択することができるようになります。 複数のコンテントが重なっていて、デザインウィンドウ上では目的のコンテントを選択できない場合に利用します。

選択中のみ表示

チェックしている間は、選択中のコンテントの内容だけがデザインウィンドウで表示されるようになります。 やはり複数のコンテントが重なっていて、 目的の要素がどのコンテントに属しているのかが分かりにくくなった場合などに利用します。

背景要素は選択不可

チェックしている間は、[背景]プロパティにチェックの入った要素が選択できなくなります。 背景以外の要素だけを編集したいときに利用します。

要素ロック

チェックしている間は、プロパティウィンドウ上でのみ要素のプロパティの変更ができるようになります。 デザインウィンドウ上で要素を変更したくないときに利用します。

式の入力

[式]というプロパティを持った要素をダブルクリックするか、 プロパティウィンドウ上の[式...]というボタンを押すと、 式編集のダイアログボックスが開きます。

[メソッド]、[オペレータ]タブに切り替えることで、 それぞれ現在利用可能なメソッドとオペレータの一覧が表示されます。 各項目をクリックで選択することでヘルプが表示され、 ダブルクリックによって式に入力することができます。 また、後述するプレビュー機能でデザイン用データを用意しておくと、含まれる列名が[列]タブ内の表に候補として表示され、 ダブルクリックで式に入力できるようになります。

プレビュー

プレビュー機能を利用することで、デザイン作業中の帳票の出力イメージを確認することができます。

プレビューの起動

ツールバーの[プレビュー]ボタンをクリックするか、メニューバーの[ツール] > [プレビュー]を選択します。

ウィンドウの構成

プレビューはプレビューウィンドウ、データウィンドウの2つで構成されています。

プレビューウィンドウ

デザイン作業中の帳票の出力イメージを確認します。

プレビューの出力イメージは、 帳票のデザインまたはデザイン用データに変更があると即座に再描画されます。

データウィンドウ

デザイン用データを表示または編集します。 デザイン用データは、プレビューイメージの生成に利用されるほか、 その列定義がデザイン作業での式入力時に候補として利用されます。 編集したデータはファイルに保存できます。 デザイン用データファイルのデフォルトの拡張子はRRDTで、内容はJSON形式となります。

データウィンドウのタブを切り替えることで、それぞれのデータやログを参照できます。

「→」ボタンでプレビューウィンドウの右側へ、「↓」ボタンでプレビューウィンドウの下側へ移動することができます。

dataタブ

帳票に渡すデータを表示または編集します。 コンボボックスで [root] を選択すると、帳票のトップレベルへ渡されるデータを表示/編集できます。 また、グループの [識別子] を設定しておくと、 その値がコンボボックスの選択肢として表示されるようになり、 これを選択することで対応するグループに渡されるデータを表示/編集できます。

「データ取得」ボタンから、データベースやCSVファイルなどからデータを取得することができます。 「列定義」ボタンから、手入力で列定義を設定するためのダイアログを開きます。 「行追加」ボタンで新規行の追加、「行複製」「行削除」ボタンで行の複製や削除を行います。

データ取得

「データ取得」ボタンを押すと、以下のダイアログが表示されます。

「データベースから取得」、「CSVファイルから取得」、「クリップボードから取得」のいずれかのボタンを押すことで、対応する方法にてデータ取得を行うことができます。

「データベースから取得」を選択した場合、以下のダイアログが表示されます。

[OLE DB]または[ODBC]タブを選択した上で接続文字列を設定し、 データを取得するためのSQLクエリを記入して[クエリ実行]ボタンを押します。 「履歴を開く」ボタンから、過去に発行したクエリを呼び出すこともできます。

なお、[OLE DB]において[Microsoft OLE DB Provider for ODBC Drivers(MSDASQL)]を利用することはできません。 [ODBC]タブを利用するようにしてください。

[クエリ実行]ボタンを押すと、以下のダイアログが表示されます。

指定されたクエリで取得される列の一覧が表示されます。 このとき、名前が重複した列は取り除かれます。

[列名変換]コンボボックスの値を選択することで、 列名を[全て小文字][全て大文字][キャメルケース(先頭小文字)][キャメルケース(先頭大文字)]のいずれかに変換できます。 [変換しない]を選択することで列名を元に戻すことができます。 また、各列の[取得]チェックを外すことで、その列は取得されなくなります。

[レコード数上限]には、取得するレコード数の上限値を指定します。 または、[列定義のみ取得]にチェックを入れることで、 データそのものは取得せずに、列定義のみを取得することができます。

[データ取得]ボタンを押すことでクエリが発行され、データと列定義が取得されます。

列定義

「列定義」ボタンを押すと、以下のダイアログが表示されます。

「推測」ボタンで現在の帳票デザインから列名を推測します。 表に直接入力することで、任意の列名を定義することもできます。 「追加」ボタンでカーソル位置に空欄を追加、 「削除」ボタンでカーソル位置の列を削除します。

列検索

データウィンドウ内でCTRL+Fキーを押すか、右クリックでメニューを表示して[列検索]を選択すると、 以下の列検索ダイアログを呼び出すことができます。

ダイアログ上部のテキストボックスに検索したい列名の先頭部分を入力すると、 自動的に絞り込みが行われます。

キーボードの上下キーで列を選択してEnterキーを押すか、マウスで列をダブルクリックすると、 プレビューウィンドウへ戻り、選択した列へとフォーカス移動します。

globalタブ

GlobalScopeの値を表示または編集します。

「キー推測」ボタンから、編集中の帳票定義からキーを推測することができます。 「追加」ボタンでカーソル位置に空欄を追加、 「削除」ボタンでカーソル位置のキーと値を削除します。

pageタブ

PageScopeの値を表示または編集します。

「キー推測」ボタンを選択すると、編集中の帳票定義からキーを推測することができます。 「追加」ボタンでカーソル位置に空欄を追加、 「削除」ボタンでカーソル位置のキーと値を削除します。

logタブ

エラーや実行時間を表示します。

帳票定義に含まれる式などに問題がある場合は、エラーを表示します。 また、プレビューの描画にかかった時間を表示します。

プレビュー用データの型

dataタブ、globalタブ、pageタブに入力した値は、以下の規則に沿って型変換された上で、プレビューに利用されます。

数値

数値として見なすことのできる値は、数値へ変換されます。

  例:
  100
  12345.67
  -1000
  00123  => 123という数値に変換

日付値

以下の形式に沿った値は、日付値へ変換されます。

  yyyy/M/d H:m:s 例:2016/6/22 17:29:10
  yyyy-M-d H:m:s 例:2016-6-22 17:29:10
  yy/M/d H:m:s 例:16/6/22 17:29:10
  yy-M-d H:m:s 例:16-6-22 17:29:10
  yyyy/M/d 例:2016/6/22
  yyyy-M-d 例:2016-6-22
  yy/M/d 例:16/6/22
  yy-M-d 例:16-6-22

文字列値

数値にも日付にも変換されない値は文字列として扱われます。

先頭に[']を付けると、どのような形式でも文字列として扱われます。

  例:
  ABCDE      => "ABCDE"
  あいうえお => "あいうえお"
  '00123     => "00123"
  '16/6/22   => "16/6/22"

ツールバーの機能

よく使う機能などが集められたプレビューウィンドウの上部(メニューバーの下部)にあるメニューです。

1.印刷

帳票の印刷を行います。プリンタの指定や印刷設定を行うウィンドウが開きます。

2.ページ移動

ページ移動を行います。前後、最初、最後のページに移動することができます。 直接ページ番号を指定することもできます。

3.見開き表示

2ページを見開きで表示することができます。

4.拡大、縮小

プレビューウィンドウでの表示倍率を設定します。 現在のウィンドウサイズまたは幅に合わせた表示倍率にすることもできます。

5.テキスト検索

プレビュー中の帳票の内容をテキスト検索します。

6.背景画像

チェックしている間は、レポートデザイナで設定した背景画像を表示します。

7.ウィンドウ操作

常に前面

チェックしている間は、レポートデザイナや他のアプリケーションを選択しても、プレビューウィンドウを常に前面に表示します。

更新しない

チェックしている間は、レポートデザイナやデータウィンドウで行った編集をプレビューウィンドウに反映しません。

8.閉じる

プレビューを終了します。


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