RapidReport 製品ドキュメント

RapidReport 5.0 について

RapidReportは2013年のリリース以来、多くのお客様に利用いただいております。

今回、これまでにお客様から頂いた多くの要望をもとにバージョンアップを行い、新たにRapidReport 5.0としてリリースしました。
ここでは、バージョン5.0の主要な変更点および、旧バージョン(4.X)にて作成された帳票の運用について説明します。

※5.0では4.Xで作成した帳票の編集・実行も可能であり、さらに4.Xの動作を再現する互換性オプションも提供されます。
※4.Xは開発終了となります。今後は5.0以降のバージョンをご利用ください。

デザイン通りのPDFを出力可能

バージョン5.0では、等幅フォントを使用している場合、レポートデザイナの内容通りにPDFを文字間隔や改行位置などもずれることなく出力できるようになります。

これにより、PDFを実際に出力して内容のずれが発生していないかをテストする作業が軽減されます。

※ この機能を有効とするには、帳票定義ファイルに等幅フォントの情報を追加する必要があります。 バージョン5.0以降のレポートデザイナで作成した帳票定義ファイルには、自動的にフォント情報が追加されます。 4.Xで作成した帳票定義ファイルにはフォント情報は含まれていませんが、 5.0以降のレポートデザイナで開いて上書き保存することで追加できます。
※ 帳票定義ファイルに等幅フォント情報が含まれていれば、この機能は自動的に有効となります。

要素の余白を設定可能

テキスト要素、フィールド要素に余白を設定できるようになります。

直線や四角形などの要素を組み合わせなくとも、罫線付きの表などをテキスト/フィールド要素のみで柔軟に作成可能になります。

ウィザード(帳票自動生成)機能を拡張

従来はA4縦でのみ可能だった帳票自動生成機能が、任意の用紙サイズ/向きで利用可能になります。

クロス集計表

クロス集計表の生成機能が改善され、使いやすくなります。

レポートデザイナの操作性を改善

レポートデザイナのUIが改善され、コンテント/グループの自由配置が行いやすくなります。

他社の帳票ツールでは、ページ内に複数の表が含まれるような複雑な帳票を作成する場合、 ある帳票の一部として他の帳票を埋め込むといった ”サブレポート” のような仕組みを用いることが一般的ですが、 RapidReportならばこのような帳票も、1つの帳票デザイン内だけでコンテントやグループの配置を調整することで実現可能となっています。

バージョン5.0のレポートデザイナでは、コンテント/グループの位置やサイズを調整するグリップが常に表示されるようになり、 複雑な帳票を直感的にデザインしやすくなります。

サロゲートペア

サロゲートペアを含んだ文字列に対し、文字列長の計算や部分文字列の取得といった処理が正しく行われるようになります。

※サロゲートペアとは、UnicodeでのU+10000以降のコードポイントに対応した文字を指し、 これらの文字を含んだ文字列は1文字を1符号で表現することができないため、特殊な文字列処理が必要となります。

旧バージョン(4.X)との互換性

RapidReportでは、バージョンアップによって仕様の変更が行われた場合、旧バージョンの動作を再現するための互換性オプションを提供してきました。 互換性オプションの詳細についてはこちらをご覧ください。

今回のバージョンアップ(4.37 > 5.0)においても、バージョン4.37の動作を再現するために、いくつかの互換性オプションが追加されています。 5.0を利用している場合でも、プログラムの開始時に以下のコードを実行することで、4.37に準拠した仕様で実行することができます。

  // C#
  Report.Compatibility._4_37_Typeset = true;
  Report.Compatibility._4_37_WrappedTextNoTrim = true;
  Report.Compatibility._4_37_ImagePixelScale = true;
  Report.Compatibility._4_37_EveryPageAllData = true;
  ' VisualBasic
  Report.Compatibility._4_37_Typeset = True
  Report.Compatibility._4_37_WrappedTextNoTrim = True
  Report.Compatibility._4_37_ImagePixelScale = True
  Report.Compatibility._4_37_EveryPageAllData = True
  // Java
  Report.Compatibility._4_37_Typeset = true;
  Report.Compatibility._4_37_WrappedTextNoTrim = true;
  Report.Compatibility._4_37_ImagePixelScale = true;
  Report.Compatibility._4_37_EveryPageAllData = true;

PDF出力を行う場合、バージョン5.0ではデフォルトで利用されるフォントがMSゴシック/明朝となるように変更されました。 4.Xでは HeiseiKakuGo-W5/HeiseiMin-W3 がデフォルトが利用されており、 この動作に戻すには、プログラムの開始時にPdfRendererSettingオブジェクトのクラス変数 UseMsFont へ False を代入します。

  // C#
  PdfRendererSetting.UseMsFont = false;
  ' VisualBasic
  PdfRendererSetting.UseMsFont = False
  // Java
  PdfRendererSetting.useMsFont = false;

バージョン5.0では、従来はプログラムの実行時にのみ設定可能だった互換性オプションが、レポートデザイナに対しても指定可能となりました。 「設定」メニューで以下のように設定することで、4.37に準拠した動作でデザイン作業を行えます。


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